お雛様を選ぶにあたり
様々な選び方があるかと思います。
何よりも重要な事は
間違いなくお店選び。
そのお店の選び方とはいっても
「いったい何と基準に選んだらいいの?」
となるかと。
もちろん
それぞれのお客様が昔からご贔屓になさってるお店であれば
信用も間違いないという事でしょう。
今年初節句で
「初めてなんだけど何処で選んだらいいの?」となった場合や
「以前他所で選んだけと・・・どうもイマイチで・・・」
となった場合。
先ずそのお店が
もともと何のお店であるかという事は重要なポイントのひとつ。
ことわざで
「餅は餅屋」
という言葉がある通り。
人形屋であったり量販店であったり。
私ども秀月は
代々人形師として人形を創っています。
なので
お飾りを完成させるにも
お人形が主役である事をわきまえているので
お人形がより引き立つ様にお人形を中心にお飾りを仕上ていく訳です。
こういう考え方は
何代か続いている老舗人形専門店であれば
基本として先ず同じ様な考えでしょう。
なぜなら
昔は赤毛氈の七段飾りが主流でした。
赤毛氈とスチール段は
よほど特別な物でない限り部品としても高くても知れています。
嫁入り道具やお道具類も
作家物であったり漆塗りであったりと
特別な高級品でない限り金額の違いはさほどありません。
ただし
御殿は別格です。
そうすると
必然的にお飾りの中でお金を掛けるべきところはお人形になります。
各人形屋さんは
他店と差別化する為にオリジナルのより良い人形をと
全国の製造元・作家さんの元へ走り競い合ったものでした。
なので
お着物にしてもお顔にしても
今ではとても買えない様な綺麗で美しく
豪華で高級なものが多かったものです。
今はそういった物は
お金を出しても買えないものが多いもので。
私も小さい頃
とある作家さん元へ一緒に連れていかれ
そこは押し入れに金襴などの反物がいっぱい詰まっていて
その中から反物を選んで特注品のオリジナルを作っていただいた事を覚えています。
部屋中反物だらけで
昔ながらの木製の一枚板の机があり
糊仕事をしている横で選んでいました。
その作家さんは丁寧な仕事で
女性らしい上品なお雛様を作りましたがその時すでにご高齢で廃業されてしまいましたが。。。
あと特注品として
金襴の織元へお願いし
秀月という名を裂に織り込んで
それをお着物としてお雛様に着せ付けていました。
現在
そのお雛様をお持ちであれば貴重です。
そして
赤毛氈というとどこも同じように見えますが
弊社の場合ですと美しい鳳凰の刺繍を入れたり
十五代目 十六代目 人形の秀月と豪華に刺繍を施し高級路線で差別化していきましたね。
飾り段にしても
十五代目が考案した能舞台を取り入れ
より豪華に夢のあるお飾りに仕上げていました。
人形は
現在よりも2倍以上大きいので
まさに絢爛豪華で見栄えどころか
見応えのあるお雛様でしたね。
もちろん
お顔は秀月オリジナルのお顔で
「秀月さんのお顔が一番いい!」
と現在でも当時のお客様が来ていただいております。
その当時は
それぞれそのお店のお顔というものもあり
特徴があったものですが現在では流行りのお顔というと
どこもそのお顔を使い始めるのでネットや広告やチラシを見てもどこも同じに見えてしまうのが残念です。
小道具といえば
秀月オリジナルで象牙というものもありました。
こうした事なども含め
当時の秀月の七段飾りは30万40万50万それ以上が普通でしたので
現在でもお持ちの方はそれだけ高価なお雛様をお持ちという事です。
もっとさかのぼると
御殿(ごてん)というものをご存知の方もいらっしゃるかと思いますが
現在では作れる専門の職人さんが居なくなり新たな製作は不可能に近く
あったとしても人形専門店といえど組み立て方が分からないというのがほとんどですので。
数年前に当工房で御殿の修理を承りましたが
何か月もお預かりし完璧に修復させていただいた事も秀月の誇りのひとつです。
そして
昭和60年前後から
徐々に赤毛氈の七段飾りから
赤毛氈の三段飾り木製の三段飾りへと変わってきます。
それでもまだ
お飾りの間口(幅)が135cm前後の大きさで
120cm・90cmが主流で選ばれていましたね。
この辺りから
木製の飾り台が主流になりつつ
台・屏風を製造する業者が様々な台・屏風を製造する様になり
ひとつのお飾りに対する金額の掛け方の比率が変わってきました。
そうなると
だんだんと台や屏風が目立つ様になり
お人形よりも主張する様になってくるんですね。
例えば
人形店が10万円のセットを仕上る場合
赤毛氈とスチール段でしたら部品代が5万円で済むのが
木製の台・屏風ですと部品代が10万円になってしまう訳で
今までお人形に15万円かけられていたのが10万円になってしまう訳で。
上記は極論ですが
それだけ台と屏風がお洒落で高級化され
お飾りに対する金額の比率が変わってしまってきているのが現状です。
そうなると
もともとが台や屏風の製造元だったところが
自社の台や屏風に人形を乗せて売ればいいとなり
主役が変わってしまっている事が殆どです。
台や屏風屋さんも
努力してとても美しく綺麗な台や屏風を製作しますので。
これも腕の良い老舗の屏風屋さんとなると
シンプルな金屏風ひとつにしてもとても美しい金屏風を制作し
お人形を引き立てより高級感をもたらすので多用させていただいています。
これも
代々続く職人技が成せる事です。
しかし
某国製のものも多く出回っていますので注意も必要ですね。
お飾りを正面から見て見える面積がお人形より大きい分
お客様からすると一番目に入るのが台であったり屏風であったりするので
お人形よりも台や屏風の方に目がいってしまいがちですが主役はお人形である事をお忘れなき様に。
もちろん
そういった台・屏風の製造が発祥のお店でも
よく聞く老舗の人形専門店であれば
そういった事も理解しているのでお人形の品質も間違いなく高いです。
当店も含め
何代か続いている全国の老舗人形専門店は
売る事も大事ですが伝える事の方が大切であると理解していますので
売れるから・儲かるからといって後から参入してきた異業種とは考え方が全く異なりますので。
特に量販店は
みさなんもご存知の通り
読んで字の如く量販ですから
質より量で歴史や伝統・価値は関係なく安くて売れて儲かればいい
といっいた考え(異なるところもあるかもしれませんが)が多い様ですので。
商品の違いは
実際に見比べていただければお分かりになるかと。
それが良いのか悪いのかは様々ですので判断できかねますが
我々の業界は歴史や伝統を重んじ売る事よりも伝える事だなと思います。
そして
職人さんや作家さんを大事にする事。
値引きや安さを売りにしているという事は
その値引きや安さでも充分利益が出る様にしてある訳です。
さすが
商魂たくましい商売人ですね。
しかし
やたら値引いたり安くしてしまうと
その職人さんや作家さんの価値も下げてしまいます。
そうすると
「あの作家の商品は安物」
と判断されてしましますので。
なかには仕入れの際に
実際に当工房の卸しでもありましたが
「数を買うからもっと安くしろ!それが当たり前だ!!」
とはじまり職人を苦しめている事もあります。
ボタンひとつ押して
機械で出来上がってくる物とは異なり
全て手仕事ですので手や身体がボロボロになるどころか
「自分たちが一生懸命作った作品がそんな価値でしかも値切り倒して・・・」
と精神的なダメージの方が大きいものですので。
商売人にはかないませんね。。。
小売りの場合では
極端に値切るお客様がいらっしゃるのですが
工房から十六代目の父が前掛けをして出てきて
「お客さん、私たちが一生懸命創った人形です。職人を泣かせんで下さい」
と静かにひとこと言って去るとお客様は何も言えなくなり納得して選ばれていくものでした。
それ以来
そのお客様もずっと当店をご贔屓にしてくださり
身内やご親戚・お知り合いに初孫が産まれると当店に連れてきてくださいました。
これこそ
製造元・職人・人形師としての
信用と重みが発揮された瞬間です。
人形の秀月は
商売人ではなく職人・人形師の会社です。
口下手で綺麗ごとや
お世辞や無責任な売り文句は言えませんが
その分商品(作品)でお客様にご納得お喜びいただき
可愛いお孫さんやお子さんの初節句のお祝いのお手伝いをさせていただきたいと考えております。
これが
人形の秀月が大切にしている
「伝えたい日本の心 美しい伝統」です。
伝えたい日本の心 美しい伝統
十七代目 人形の秀月
浜松・磐田・袋井・森町・掛川・菊川・御前崎・静岡で羽子板・破魔弓・雛人形・五月人形・鎧・兜・甲冑・鯉のぼり・市松人形なら・・・
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