北米レクサス本社から
特注レクサスモデルの着用兜のご注文です。
何年か前より
電通さんを通してご注文をいただき
制作をしていたのですがコロナで止まってしまっており
この度再開しご注文をいただきました。
何年か前に
電通さんよりメールが届き
「秀月さんは兜を制作しているとの事で制作をお願いさせていただきたいのですが、その前に先ず工房に伺ってお打ち合わせをお願いでますでしょうか」
という事から始まったのがきっかけです。
担当者の方が
こちらのブログをご覧になられており
実際に創っているという事が分かりご連絡いただいた次第で。
後日
東京の電通本社から
担当の方が遥々お見えになりました。
北米レクサス本社での
上級顧客向けの着用兜で
今までは何処ででも安価に手に入る
流行りのプラスチック製の小振りな着用兜だった様で。
写真を拝見させていただきましたが
製造元も「やっぱりな」という所で二回り程小さなプラスチック製の兜。
「より本格的な兜を・・・」
という事で小札の色や縅の色
忍緒の色や金具や金具の色までを細かく打ち合わせです。
日本らしさを出したいとの事と
龍頭(りゅうず)は必ず付けて欲しいと。
現地の方は
この龍頭が大変お気に入りで
兜と言えば龍頭というのが基本となります。
この龍頭は
後日ご紹介しますが
この龍頭というのも現在の鎧・兜では
付けているものが殆ど無くなってしまい
忘れられつつありますがこれは作る職人さんも減り
その分高価になってしまうので余計に付けなくなってしまいました。
木彫金箔押龍頭(きぼりきんぱくおしりゅうず)
といって木彫りの龍に金箔が押され手には水晶玉を持つという昔ながらの龍頭です。
近頃では
あえて龍頭の付いた
鎧や兜を探し選ばれる方もいらっしゃいますが
もちとん意味言われもきちんとあり何よりも造形美として様になります。
今回の北米レクサス社からは
この木彫金箔押龍頭が絶対条件のひとつですので。
もしかすると
我々日本人よりも
その辺りの必要性をよくご存知かもしれませんね。
そんなお話しをしながら
吹き返しにはこの金具で
裾金具はコレでといった感じで進めていきました。
そして
何よりも
素材も創りも
美しく高価である事。
ここで間違えてはいけないのは
ただ高価な素材を使えば良いという事ではありませんので。
もちろん
安価なプラスチックにギラギラした塗装という事はせず
鉄や真鍮素材を使用しより本物に近いかそれ以上の兜です。
途中
「せっかくならレクサスロゴを付けましょうか?」と言いましたら
「それ面白いですね。けど先方はあくまで昔からの日本のTHE兜を望まれていますので」と
もちろん
兜櫃(かぶとびつ)付。
そうやって完成し
第一号を送らせていただいたのですが
先方にも喜んでいただけそれ以来続いています。
ある意味
日本の代表でもありますので
誇らしい仕事で仕事冥利に尽きありがたく思います。
そんな経緯で
写真は先ずは兜鉢と忍緒。
兜鉢は
十八間の鉄片を一枚一枚丁寧に矧ぎ合わせ
全体に星というピンを植え装飾し造り上げられた本格的な兜鉢。
前後に銀色の部分があるのですが
これは前後二か所ですので二方白と呼び
上から下に伸びる矢印の様なものは篠垂れと呼びます。
兜の頭上先端は
神が宿る場所とも言われる八万座。
これも金属で
重量感のあるものにしてあります。
他所では
この兜鉢がオールプラスチック製の物が多く
それが一般的に多く出回っている安価なタイプです。
鉄片というと
「重いのでは?」
と思われるかもしれませんが
もちろん軽量化されていますので
お子さんが被っても大丈夫ですので。
横にあるのは
忍緒(しのびお)といい
簡単に言うと兜を被り顎に縛る紐です。
両側に結びを付けた無双結びとし
色は昔ながらのサビ朱(黄色ではありません)に。
この兜鉢に
忍緒を取り付けるのですが
もちろん全て手仕事です。
現在の工房は
移転し改装中でもありますので
エアコンが使えない為に先日何気に測ったら37.8度でした。
扇風機も熱風なので
流行りの空調服を着てみたら逆効果で
やはり綿100%のシャツと綿100%のズボンが一番です。
最近では
あまりの暑さに
綿100%のハーフパンツにしていますが・・・
既に
3回熱中症にもなり
外の自販機の冷たい水がお友達状態ですが
この様な過酷な環境下で黙々と制作をしております。
集中すると暑さは感じないのですが
普段当たり前になっている冷房のありがたさがよく分かりますね。
建物の立て方も
向きや空気の通り道を作る重要性や壁は土壁であったり
日本の風土には畳が理にかなっているという事も実感できます。
便利な世の中になり
何でもある事が当たり前に考えていますが
無い事が当たり前で考えると知恵を使うようになり
気付くとそれは昔やっていたことだったりする事も。
そんな事を考えながら
日本の恥にならない様にと
黙々と兜を制作しております。
磐田の町から
日本を代表する兜が生まれている
と思っていただければと。
伝えたい日本の心 美しい伝統
人形師 甲冑師 十七代目 人形の秀月
浜松・磐田・袋井・森町・掛川・菊川・御前崎・静岡で羽子板・破魔弓・雛人形・五月人形・鎧・兜・甲冑・鯉のぼり・市松人形なら・・・
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