Author: 一心
袋井市のI様より
お洒落なお雛様をお選びいただきました。
I様は
その前に
素敵な羽子板飾りも
お選びいただいております。
お父様にとって
初のお孫さんという事もあり
嬉しくて嬉しくて仕方ないご様子で。
「それもいいけど
こっちの大きい方が・・・」
と気合の入り方が違います。
実は
以前お父様がご来店された時
「俺はコレだな。俺はこれを買ってやりたい」
ととても立派なお飾りの前で嬉しそうにおっしゃられていました。
「でも娘が気に入らんとな・・・でも・・・」
とどうしてもそのお飾りを買ってあげたいご様子で。
そして
今回お嬢様と
お孫様を連れご来店され
その時の様子を知っていましたが
あえて私からは口を出す事はせず
少し拝見させていただいておりました。
お嬢様なりの
お考えもある様ですし。
そんなお嬢様に
気を遣いながらも
ご自身の気に入られていた
お雛様の前へさりげなくお連れになり
「俺はこれが良くてさ。やっぱこれくらいないと・・・」
と買ってあげたいという強い気持ちでおっしゃられていました。
お嬢様は
「私はこっちのお雛様がいいよ」
と意見が分かれる事になりましたが
お父様はご自身が気に入られたお雛様を買ってあげたくて。
お父様の気持ちも分かりますし
お嬢様の気持ちもよく分ります。
それは
とても立派なお雛様ですので
それを見たお嬢様なりに気を遣っていたのかもしれません。
「おい。好きなのを選んでいいだぞ」
と言いつつもそのお雛様を買ってあげたいお父様。
ひしひしと
伝わってきます。
しかし
男親というものは照れもあるので
ついぶっきらぼうになってしまいがちでので
「お父様は可愛いお孫様に買ってあげたいという親心からですよ」
と軽くフォローを入れさせていただきながら冗談を交え和気あいあいと。
そして
お嬢様がお気に召された
ご好評いただいておりますお雛様。
お父様の
お気持ちも分かりますので
「こちらのつるし飾りはいかがでしょう」
とお父様に高級つるし飾りをご案内させていただくと
「そうだ。これがいい。これくらいないとな。これも一緒に買おう!」と嬉しそうに。
お二人とも
お互いに気を遣い
この様にちょっとしたストーリーが生れる事もしばしば。
そうした
二人のお気持ちを
私なりに察しながら
ご案内させていただいております。
売りたいのではなく
喜んでいただきたいので。
帰り際
お嬢様と目が合い
ニコッと微笑んでくださり
私自身もホッとひと安心です。
I様この度は
誠にありがとうございました。
人形の秀月
人形工房一心は
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。
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