東京都足立区のY様より
お雛様の修理を承りました。
約50年前の
木目込み人形です。
Y様は
ブログをご覧になり
「50年前、祖母が私の初節句に購入してくれた木目込みの雛人形です。
男雛の笏と女雛の扇が折れてしまい、女雛の冠がとれてしまい、三人官女の顔にヒビが入ってしまいました。半世紀を機に綺麗にしてあげたいのですが、修理は可能でしょうか?」
とお問い合わせをいただいたのが始まりです。
基本的に
先ずは拝見させていただいてから
修理が可能かどうかの判断になる旨をお伝えすると
静岡に所用があるのでとわざわざ東京からお持ちくださいました。
メールで
お写真を拝見させていただいておりましたが
実際に拝見させていただくと思っていた以上の状態で。
50年前の
木目込み人形となると
あまり無理をしてしまうと
胴体がボロボロと崩れてきてしまう可能性もあります。
そうした
リスクのある事も
お話しさせていただき
お直しをさせていただく事に。
そして
お時間をいただき
先ずはお顔が綺麗にお直しができました。
玉櫛は
新品になってしまいましたが
お顔は当時の風合いを残す様
修理した部分の色合わせをしお化粧を施していきます。
次に
笏と扇です。
見ると
胴体に差し込んであるもので
それぞれ中で折れてしまっていました。
殿の笏の場合は
笏自体も無くなってしまっていて。。。
そして
先ずは中に残った
折れた部分を取り出さなければなしません。
ただ
中で接着してあったので
取り出すにしても接着部分も含め
周りがボロボロと崩れてしまう可能性が高くなります。
そのリスクをお話しすると
「万が一駄目になってしまっても、綺麗にしてあげた状態で供養してあげたいので・・・」と。
その
Y様のお雛様に対する
想い入れに感動してしまい
必ず修理して差し上げようと思いまして。
先ずは
周りを崩さない様
特殊な工具でミリ単位で削りながら
中に残った部分を少しずつ取り出していきます。
全てを取り出す事は
周辺に無理が掛かかるので皮一枚残す程度で。
次に
殿の笏ですが
紛失されてしまったので
現在の殿の雰囲気合わせ
花梨の笏を用意させていただきました。
そのままでは入らないので
長さを合わせ数ミリずつ削りながら穴に入る様に調整していきます。
そして
完成したものがこちら。
笏は
穴に合わせ
少し角度を付け
自然体になる様に。
次は
姫の扇です。
やはり
同じ様に
中で折れいたので
数ミリずつ削り取り出す作業。
姫の場合は
特に接着剤が残っており
固まってしまっていたので
細心の注意が必要となりました。
当時の扇がありますので
穴に入り止まる様にと数ミリずつ削ります。
その際
紐が解けていましたので
癖を取って解けない様にも。
そして
完成したものがこちら。
扇も
綺麗に収まりました。
こうして見ると
とても50年前のお雛様
とは思えないほど綺麗なお雛様です。
近年では
目が入ったお顔の木目込み人形も増えましたが
やはり昔から基本の書き目の方が趣きがあり表情も色褪せませんね。
こうした事は
人形の年月が経つと分かります。
そして
今回も無事修理が完了し
納めさせていただく事ができました。
Y様も
お喜びいただき
とても嬉しく思います。
難しい修理でしたが
挑戦しこうした経験をさせていただくことは
自分にとってはとてもありがたい事ですので。
Y様この度は
誠にありがとうございました。
これからも
末永くお飾り下さいませ。
十六代目 人形の秀月
一心
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