浜松市中区のY様より
お雛様の御殿の修理を承りました。
少なくとも
約100年以上前のお雛様の御殿という事で
N様の御祖母様ご自慢のお飾りだったそうですが
実際に飾られていたものをご覧になっていた方がおらず
組み立てをしてくれていた方は当の昔にお亡くなりになられており
木箱に入りお蔵に仕舞われたままになっていたものをお預かりさせていただいて。
現在では
御殿自体を
製作しているところも無く
当時の職人はもちろんの事
実際に組み立てられる方も少なくなっています。
父や母の時代には
既に御殿のお雛様の取扱いはありませんでしたので。。。
もちろん
設計図というものもありませんし
業界関係者にお聞きしても「う~ん。分らないなぁ・・・」と。
昨年
京都で
ある展示会に伺った際
立派な御殿が飾られていたので
組み立て方や修理方法等をお聞きしましたが
大人数名が約2日掛かりでやっと完成させたくらいだから分らないという事で。
そこでも
「もうこういうものは作れる職人は居ないから・・・」と。
いろいろと
聞いて歩きましたが
何名か御殿をお持ちの方もおり
ご自身の御殿は組み立てる事はありますが
直すとなと「私達もどうしたら良いのでしょう・・・」と。
こういった状態からでしたので
全てが手探り状態でのスタートです。
何度も
途中まで組み立てては分解し
何の部品が足りないのか分からないので
様々な資料を集めて照らし合わせながらの仕事。
大きな部品も合わせ
やはりいくつかの部品が
無くなってしまっている事が分かり
それが無ければ全てが建たない事が判明。
ただ
その部品を
同じ様な材質と形で
製作するには自分では難しい事も判明。
だからといって
もう人形業界には
できる職人が居ないとう現実も。
そこで
知人である
とある職人に来てもらい
状況を説明し協力していただく事に。
彼の仕事は
浜松市内にある
個人的にも心の拠り所とさせていただいている
O様の蔵の移築を手掛け見事に成しとげた人物。
その建物で
しばらくの間
水墨画を教えさせていただいておりました。
その彼に
床下の部分
板の合せ部分
柱の下の部分など
無くなっている部分を
当時と同じ形になる様に製作していただきました。
ここまで完成すると
次は紙類の張り替えです。
Y様のご希望もあり
当時の色に近い色に
いわゆる白であっても
真っ白でなく生成りっぽい白という様な・・・。
当時の面影
古さを残して欲しいとの事ですので。
そのお気持ちは
充分分かりますので
紙片を参考にしながら
紙屋さんを探し回る事に。
手漉きの和紙で
色が限りなく近いものをと。
京都へ行き
唐長さんのデザインを見て
Y様に京唐紙にしてみるご提案も。
それでもと
1年掛け紙を探し歩き
何とか近いものが用意でき
張り替えも完了いたしました。
先月は
雨が多い日が続きましたので
天気の良い日を選びながらの作業。
そして
なんとか修理が完了し
先日お渡しする事ができました。
お預かりしてから
約2年掛かってしまいましたが
これだけの修理はなかなか出来るものではありません。
最初は
誰に聞いても
分かる人がおらず
全てが手探り状態で
無理だ諦めろとも言われたりもしましたが・・・
他の人が
出来ないから挑戦するのです。
Y様にも
大変お喜びいただき
とても嬉しく思います。
この度は
貴重な経験をさせていただき
本当にありがとうございました。
お金には変えられない
何よりも自分の勉強になりました。
そういった方々に
こうして育てていただける事にも感謝です。
人形の秀月
人形工房一心
◆浜松・磐田・静岡で人形のことなら・・・人形の秀月/人形工房一心【住所】 静岡県袋井市堀越388-2 Honda cars 浜松 袋井インター店西側
【電話番号】
0538-43-4633
【営業時間】9:00~17:00
【定休日】5月~11月土・日・祝日
11月~5月毎週水曜日・年末年始等
【駐車場】店舗兼工房東側に完備
【取扱いカード】VISA、MASTER、AMEX、DINERS
■公式ホームページ■当店へのアクセス■メールでのお問い合わせ ☆浜松・浜北・磐田・袋井・掛川・菊川・豊橋
遠くからは静岡や名古屋からもご来店いただいております。
☆雛人形・市松人形・五月人形・鯉のぼり・鎧・兜・甲冑・駿河塗下駄等。
☆人形の修理・リメイク等のご相談もお気軽にどうぞ。
ポチッとご協力お願いいたします
↓
タグ : 浜松市中区お雛様御殿修理京都唐紙手漉き和紙人形の秀月一心
コメントの投稿