工房では
私が黙々と特注品の徳川家康公の着用兜を制作中です。
兜鉢には
お馴染みの30号という大きさで
十八間の鉄片を一枚一枚丁寧に矧ぎ合せ星を植えた
見た目も美しくどっしりとした重量感もある本格的な矧ぎ合せ鉢を使用。
ちなみに
一般的に売られれているのは
23号・25号という小型でオールプラスチック製が殆どです。
小札は渋く黒小札とし
威し色は昔から魔除けの色とされる
赤糸威しに裾には三色という糸を使用し
最後に紫糸を使用し見た目にも引き締めていきます。
今回は共吹きといって
吹き返しと錣(しころ)が一体化されたもので
威し数も多くなり扱いも難しく高価なものとなります。
赤というのは
お雛様も同様で赤毛氈の赤は
昔から魔除けの色ともされていました。
裾の紫糸も
昔から高貴な色として使用されております。
この吹き返しの表板も
金の覆輪巻きから全て手作業で作るのですが
それを小札に留める為に飾り金具を使用しひとつひとつ手で留めていきます。
この飾り金具は菊飾りともいいますが
この菊飾りの菊が潰れてしまわない様
絶妙な力加減で押さえて留めていきます。
こういった事は
機械では不可能な事ですので
全て手仕事となります。
この挟んでいる工具も
もう50年以上前の工具で
年季も入り私より年上にもなりますね。
ちなみに
写真の吹き返し部分だけでも
製作に10工程以上かけられているのですが
一般的に多く出回っている兜はこういった工程が省かれ
安価に作られているのですが派手に見える様に作られているので高値で売られているのが現状です。
裾には
秀月オリジナルである
牡丹柄の金具を使用し飾ります。
そして
各部分をつなぎ留めていくのですが
この時に使用するネジというのが幾種類もありまして。
この様に
長さや太さや柄等が全て異なり
各場所によってそれぞれ使い分けていきます。
この写真で
お気付きになられた方は通かと思いますが
右と左で色が違うのがお分かりになりますでしょうか。
もっと分かり易く見ると・・・
明らかに
金の色の違いがお分かりになるかと思います。
これは
素材と使用している金鍍金の違いで
右がアルミに金鍍金
左が真鍮に純金鍍金。
部品の単価からすると
何十倍以上もの違いがあります。
パッと見ですと
右のアルミに金鍍金の方が黄色みも強く
派手に見えますので素人の方(一般の方)に好まれますね。
量販店等で
オールプラスチック製の
作者が分からない様な商品には
金具類も安価にする為にアルミ製の金具が多用されています。
けれど
見た目は派手になるので
お値段は極端に安いか逆に高めに設定し値引きの対象になっている事が殆どですね。
いわゆる
素人受けがいいというパターンです。
左の真鍮に純金鍍金は
派手な煌びやかさはありませんが
大人しくも上品で美しく輝きも全くことなりますので。
素材も真鍮ですので
ネジを切る時にも相当な力を必要とし
非効率にもなりますが見た目も仕上がりも格段に美しくなりますね。
こういった金具類も使い分けですが
金具ひとつにしても妥協せず黙々と手作業で創っています。
そして
兜鉢に取り付けた状態がこちら。
かなり
兜らしく見えてきたかと思いますが
まだまだ完成ではありません。
機械で
ポコポコ作ってしまう量産型の兜とは異なりますので
どうしても時間と手間は掛かりますね。
しかしその分
完成度の高い兜が仕上がりますので。
これは
鎧や人形でも全く同じ事が言えますね。
機械よりも勝ってしまうのですから
自分で言うのもなんですが日本の職人技って凄いなと思います。
国内では
私の親戚である甲冑師の「忠保」を含め
頑張っている職人さんは少数ながらも残っています。
どこぞの適当な作者名を付けた
安価な量産品に負けない様に
世界に誇る日本の職人として頑張りたいですね。
さてここまできたら
前立てやらの金具類を取り付けていきます。
これも
全て目算で位置が決まっていますので
どこでも良いという訳ではなくバランスが取られた最適な位置が決まっています。
この時に目算とありますが
毎回位置を測っている様では時間のロスが生まれます。
全ての大きさや位置は決まっていますので
手で持って目で見た瞬間に「ココだ」というのが分からなければなりません。
これも職人技?のひとつかもしれませんが
同じことを繰り返している訳ですのでパッと見て一瞬で分かるようになりますので。
今までの経験上
それで100%まず間違いはありません。
違和感を感じる時は
何かが間違っていたりズレている時。
こういった事の積み重ねで
職人とは非効率な事でも仕事は早い訳です。
そして
次の仕事に取り掛かりますが・・・
この先は次の記事でという事でお楽しみに。
伝えたい日本の心 美しい伝統
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