お雛様というと
お人形が主役ですので
きちんと創りこまれている事が大前提ですが
お道具や小道具類にも同じことが言えます。
どんなに大きなものであっても
どんなに小さなものであっても
きちんと創りこまれていればそれだけで存在感がでてきますので。
それは
高級感のあるものであったり
可愛らしいものであったりと様々ですが
きちんとした物であれば見ているだけでも楽しいものです。
写真の重箱は
ごく小さなものですが
正面には舞桜の満月に
可愛らしい縁起の良いウサギが描かれていて。
もちろん
上部や側面にも。
そして
その重箱がズレない様にと紙テープで留められ
さらに二色の異なる紐でしっかりと結ばれ固定されています。
この結び目も
しっかりと結ばれていて
長さがきっちり左右対称で
両方の房はバラけない様にとセロファンで包まれ
さらに紐に挟み込んで動かないように固定されていますね。
ただ
お道具を作るだけではなく
こうしたところまでしっかりと手が行き届いている。
それだけ
手間がかけられているというものです。
もちろん
お道具の種類にもよりますが
大切な事ですね。
最近のお道具類は
確かに見た目は可愛らしい物が多いですが
きちんと手間をかけ作りこまれている事とは別ですので。
ナチュラル系と言われる
白木の物も多くなりましたが
この黒塗りというのは埃や塵の無い部屋で塗りますので
非常に手間が掛かるという事はお客様にはあまり知られていません。
そして
お雛様の小道具。
いわゆる
勺や扇・太刀等いった小物ですね。
これには
いくつかのランクがあり
お人形に合わせて使い分けます。
小道具ばかりが
高価になりすぎてしまうと
お人形が負けてしまうのでバランスが重要。
大きさも様々ですので
同じくお人形の大きさに合わせ
バランスをとっていきます。
実は
ほとんど知られていませんが
小道具師と呼ばれる職人の手作りの品は
作品といって良い程で確かに高価になりますが
それは優しく美しい仕上がりで一目惚れしたものです。
写真の物は違いますが
なかなか手に入らない代物で。
その昔は
人形の秀月オリジナルとして
象牙の勺と扇が使用されていました。
今でも手元にはありますが
桐箱で箱書きがされている物を持ちのお客様は
とても貴重で今では手に入らない代物ですので大事になさっていただきたいと思います。
写真の小道具も
金箔が貼られており
大変美しい仕上がりですね。
紐ひとつにしても
色や太さが様々で
房もこれほど大きくなると
この存在感に負けないお人形となるので
自然と高価な小道具で高価なお人形となります。
この房も
数えきれない程の種類があるのですが
当工房でも実際に制作していたので作る苦労がよく分かりますね。
小さな房となると
細いバラ糸を束ね糸で縛って・・・
より高価になると
バラ糸の中に金糸を混ぜて
ワンポイントで金糸が品良く目立つ様にし
高級感を持たせたりもしたものです。
これは
三人官女が持つ
京風の小道具。
関東風ですと
右から長柄の銚子・三方・加えの銚子(提子ひさげ)となりますが
写真は三方ではなく嶋台ですので京風となります。
こうした
銚子類も金属で
しっかりと厚手の金鍍金が施されており
小さくとも重量感があり触るだけで高価な品という事が分かりますので。
写真からすると
どうやら殿と姫と三人官女達は
お飾りの前に小道具を置いて出掛けてしまった様で・・・
といった具合に
物語を作るのも良いと思います。
細かな小道具類ですが
ひとつひとつ丁寧に作られているのが分かりますね。
我々の様な専門の人間が
こういう事を知っていて当然なのですが
そこまで知らないどころか拘りもないという店も多く
お客様には「お道具は自由にお選びいただけます」という
言い方を変えればバイキング形式になってしまっている訳で。
そうした中には
「こ、これは!!」
といった物はまず無いでしょう。
どちらが良いとは一概には言えないかもしれませんが
専門店のあるべき姿と人間(店員)の在り方が問われる時代です。
さらに
少なくとも物は知っていても
どうやって作られているか作り方等は知らないという事も。
これだけ
インターネットが普及している時代ですので
ちょっと調べれば何でも直ぐに出てきますので
物や言葉は知っていても仕事は知らないという専門店をうたう店や人間が多い事も確かです。
作る苦労を知らないので
容赦なく平気で大幅な値引きをしたりして価値を下げられるんですね。
それが
某国製であれば尚更でしょう。
これも時代かもしれませんが・・・
代々の製造元として
作る苦労を痛いほど知っているだけに
お客様にはきちんと価値をお伝えしたいと思います。
商売人ではなく
根っからの職人ですので。
さて
そろそろ殿・姫・三人官女達が帰ってくる頃でしょう。
綺麗にお化粧直しをして
皆様の前にお披露目です。
十七代目 人形の秀月は
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。
伝えたい日本の心 美しい伝統
人形師 甲冑師 十七代目 人形の秀月
浜松・磐田・袋井・森町・掛川・菊川・御前崎・静岡で羽子板・破魔弓・雛人形・五月人形・鎧・兜・甲冑・鯉のぼり・市松人形なら・・・
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